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2005年 3月 23日 [ 特産品 ]

No.188-2:富山の新しい味覚が続々登場−県の研究成果から


●富山県立大学の研究成果を活かした味わい

 富山県立大学の研究成果が県内の食品事業者の製品開発に役立ち、消費者から注目される製品が続々と誕生している。
 まずは、県立大学と県漁連、伊藤ハム食品小矢部工場の共同開発による「フィッシュソーセージ」。富山湾の名産シロエビの頭部と殻の微粉を配合した製品だ。シロエビは体長7〜8cmの小型のエビで、世界でも富山湾だけで漁業が行われている。その身は刺身や寿しネタ、昆布じめなどで食べられているが、残念ながら頭部と殻はこれまでほとんど利用されてこなかった。そんな中、県漁連からの依頼により、県立大学生物工学センターが頭部と殻を微粉末加工する技術を確立。伊藤ハム食品小矢部工場で、魚肉ソーセージをベースに試作を繰り返し、微粉末1.2%の配合率で練り込んだフィッシュソーセージを完成させた。平成 16年7月の限定販売から好評で、その後、月平均1,000本ほどが売れる人気商品となっている。ソーセージは柔らかな食感が特徴で、シロエビの風味が口の中に広がる。JR北陸線の車内販売で1袋3本入り300円。
 そして、県立大学による富山湾の海洋深層水の利用研究を活かした商品を2つ紹介しよう。角口農産(氷見市)が県立大学のアドバイスを受けながら開発した「発芽玄米 米糀味噌」は、仕込み水として海洋深層水を電気分解してできるアルカリイオン深層水を使用している。これにより、抗酸化力が高く、アミノ酸類の含有率も高い機能性味噌を作り上げることに成功した。
 また、いきいき地ビール(氷見市)では、県立大学の協力を得て、深層水で仕込んだ地ビール「めざめる」を3年前に開発した。まろやかな風味とホップの爽快さ、深層水ならではのミネラル成分が特徴で、2003年にはビールの本場ドイツのドイツ農畜産業協会・DLG品質保証マーク審査会で同マークに認定されている。そして今年3月、深層水で2年間仕込み、乾燥した氷見産ヒノキでほのかな香りを付けた地ビール「波奏麦酒(わかなビール)」を発売。8%のアルコール度数と濃厚な味わいが人気となっている。


●廃棄されてきた豚皮でできる軽い風味のスナック

 県食品研究所の研究成果に話題を移そう。研究所では、豚皮を使ったスナック菓子の開発に成功した。豚皮には、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など肌の張りや弾力、水分保持、関節の潤滑に不可欠なタンパク質が豊富に含まれている。しかし、これまでは利用が難しいことから廃棄され、加工品の開発が望まれていた。
 研究では、豚皮を100℃の熱水に浸けて脂質を減らした後、通風乾燥させて水分を調整。200℃に温度設定したパン用オーブンで加熱させ、パフ状に膨らませた。さまざまな味を付けた試作品は、コラーゲンを豊富に含み、高タンパク質で低脂肪、低カロリーを実現しており、今後の加工品生産につながると期待されている。
 深層水という新しい資源、これまで捨てられてきた資源を活用する富山の研究・取組みが全国に広がる新しい味覚、特産品になるのが楽しみだ。
 なお、シロエビの殻を配合したフィッシュソーセージやハローキティソーセージなどのセット(伊藤ハム食品小矢部工場提供)を10名様にプレゼントします。電子メールに、郵便番号・住所・氏名・電話番号、記事を読んでのご感想をご記入のうえ、表題を「ソーセージ」と明記してkoho1@pref.toyama.lg.jpへお送りください。<締切りは2005年3月27日(日)>(発表は発送をもって代えさせていただきます。)




問い合わせ

●富山県立大学短期大学部生物資源学科
TEL.0766-56-7500
FAX.0766-56-0396
http://www.pu-toyama.ac.jp

●伊藤ハム食品小矢部工場
TEL.0766-69-8888
FAX.0766-69-8686
http://www.itoham.co.jp/

●角口農産
TEL&FAX.0766-74-6319

●いきいき地ビール
TEL.0766-91-8200
FAX.0766-91-8201
http://www.iki-iki.co.jp

●富山県食品研究所食品加工課
TEL.076-429-5400
FAX.076-429-4908
http://www.pref.toyama.jp/branches/1660/index.html

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